不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

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たまには卵巣をお休みさせてみませんか?

みなさん、しっかりお休みとれてますか?

最近は共働きで休みもないという方もいるかもしれません。
ただ、どんなに多忙でも睡眠を全くとらず働いていることはないかと思います。
休息があってこそ、しっかり働けるというものです。

では、いきなりですが体内の臓器はどうでしょうか?
そんなこと考えたことがないという方は多いかもしれませんね。
人間が生きている限り彼らは活動を続けています。

人間の仕事にはお休みがありますが、身体の中は基本的にお休みがありません。
ずっと働いている内臓をいたわってあげることと考えてみてください。

初潮がはじまる時期も早くなり、閉経も遅くなってきています。
そして妊娠・出産の数も少なくなってきたことも関係しています。
妊娠・出産期間中は生理がこなくなりお休みできるのはご存知かと思います。

では出産後の育児中の授乳期間にはどうでしょう。
期間に個人差はありますが、基本的にこの期間中は生理はお休みしています。
このお休み期間によって、健康を維持できていたといっても過言ではありません。
ですから、最近の少子化の中では、初産まで実質子宮と卵巣がお休みすることはありません。これが最近増加している子宮内膜症の原因となっていることも大いにあります。

では、お休みさせるために何か方法はないでしょうか。
もちろん子どもを産めば良いというお話ではありません。
子どもを生まないからそうなっているのですから。
ではどうすれば良いか。

実は、ある方法を使えば簡単にお休みすることが可能です。
それは、ピルを続けて服用するだけなんです。

その理由はなぜか。
そのわけは、ピルが身体にもたらす効果にあります。
どういうことかこれから簡単に説明しましょう。

ピルを継続して服用している間は、生理自体はくるのですが、排卵は抑制されるのです。乱れているホルモンバランスが整い、妊娠を望まない時は避妊薬として。きたる妊娠を望む時には、ピルの服用をやめれば準備万端の状態にすることができます。ですから、ピルで不妊症になるのではないか。という不安もあるでしょうが大丈夫。むしろ卵巣やホルモンバランスが整い、より妊娠しやすい身体になっているといえます。

ではより具体的に、なぜ卵巣を休ませる必要があるのか。
メリットとしては、ムダな排卵を抑制し、卵巣を掃除するような感覚で、健康な状態にするからです。

そして例えば20代後半くらいからピル服用を開始し、継続していくとする。そうすると卵巣年齢が若い状態がなるべく保たれるようになる。ムダに浪費させない、疲弊しないといった体力温存のイメージでしょうか。何もしてこなかった方と比べ、卵巣年齢や出産率が高いという報告もあります。

卵巣と排卵とピルの関係をわかりやすくしてみます。例えるならば、限りある資源ををイメージすると良いのですが。そうですね、石油などの燃料に例えて説明しましょう。排卵はもちろん、卵子を排出することですね。みなさんご存知か分かりませんが、卵子の数は限りがあります。ここがミソなのです。

限りのある資源を、生理の都度、妊娠する必要がなかったために排出されます。卵子の数は、年々減少していっているのです。例えば、卵子の数を20歳で80としましょう。そこから年齢が増えるごとに年齢×2を引いていくとします。この数字が0、つまり卵子が0になった時に妊娠しなくなると考えてみてください。実際の数とは違いますが、わかりやすくする便宜上そう設定します。すると、30歳では80-(30×2)=20 35歳で80-(35×2)=10

年々2ずつ減少すると考えてみると良いでしょう。すると、0になるのは40歳ということになります。そう考えると分かりやすいかと思います。もちろん厳密にはこんな簡単な式で表すのは難しいですが。20歳で40、30歳で半分の20、40歳で0。
あまり焦らせるようなことを申し上げたくないのですが、これが現実です。

ここでピルの登場なのですが、なにをするかというと、極論ですが、ピルの服用期間の分だけ、卵子の減少を抑えることができると考えてみましょう。そうすると、例えば、20歳で卵子が40という人が、10年間ピルを服用したとする。すると、30歳でも卵子が40と、30歳と変わらない数をキープできる。そうすると、かなり確率が変わってくるのがお分かりになるかと思います。もちろん、何度もお伝えしますがあくまで現実の状況とは異なるとだけお伝えしておきます。妊娠や不妊症というものはそんな単純なものではないのです。

ただなるべく自然の状態で妊娠を望みたいからピルはちょっと。そういった意見も聞かれますが、もちろんそれは自由ですから、それでよいでしょう。逆に生理的にイヤなものを無理やり飲まされたと思ってストレスを抱える方のデメリットでしょう。しかしながら、生理不順を放置すること、卵巣を働かせすぎること。こういったことが長年続くことの方が取り返しのつかないことになるかもしれない。それがピルを服用することにより、安定することができる。そういうことは頭の片隅にでもおいていただければと幸いです。

⇒ ピル処方・月経調整について