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不妊治療と基礎体温の関係

みなさん、普段基礎体温表はつけていますか?

朝気分がのらなかったり、忙しかったりするとなかなかつけていられない。
そんな方も多いかと思います。

不妊治療をはじめるにあたって、
基礎体温をつけていないのですが必要ですか?
という質問をお受けすることがあるのですが、
答えはイエスです。

そういった質問をされるということは、
基礎体温をつける意味を正しく理解されていないのかもしれませんね。

もちろんご存知の方も多いでしょうから、
そんな方は軽く読み飛ばしていただければと思いますが、
あえて、このブログの場でお伝えしていこうと思います。

不妊治療の全容については、
当クリニックホームページ内のいたるところで
さまざまな観点から説明している文章を掲載していますので、
そちらをご覧いただければと思います。

基礎体温という言葉自体を知らないという方は
まずいらっしゃらないと思いますので、
そのあたりは流していこうかと思います。

 

まず基礎体温はご存知のとおり、
毎朝継続的につけていくものですよね。
つけている方ならお分かりかと思いますが、
およそ28日周期で体温が比較的高い時期と低い時期がありますね。
その体温が高い時期、低い時期をそれぞれ高温期と低温期と呼び、
大きく二相に分かれてくることを二相性といいます。
この二相性がとても重要になります。

最近、血液検査で血中のホルモン濃度を見るため基礎体温は不要だとか、
そんなことをしている医者は古いとか言われるところもあるようですが、
たしかに血中のホルモン濃度を計測したり、エコーで原子卵胞を確認すると
おおよそのことは分かります。
しかしながら、それはクリニックや病院などで
検査機器が揃っているからわかることですよね。
あくまで受診をすればわかるということでしょう。

お伝えしたいのは、
みなさんが自分自身ですぐ変化に気づけるように
セルフチェックという意味としては、
基礎体温を計ることでしか知ることが困難かと思われます。

むしろ、受診するべきかどうかの判断であったり、
何か身体の具合がおかしいのではないかなということが
症状が表面に出てからなど重症化してからでないと
気づくことが難しい疾患の場合、
気づいた時には手遅れになってしまうことも多々あります。
これは脅かすような表現になってしまいますが、まぎれもない現実です。

そういったことのないように、
基礎体温という古くからあるシンプルで原始的な方法が
実は一番役に立つのです。

 

では、なぜ基礎体温を計ることでわかることがあるのか。

それは、先ほど述べたように身体がただ行く機能している時には、
月経周期の中で、高温期と低温期のように二相に分かれます。
それが、例えばずっと同じような高低差がない一定な体温になっていることがあります。
低温状態がずっと続いて高温状態にならないような。
そういった場合には、何かしらの身体の異常があることのサインになっています。

ではなぜ基礎体温のリズムで身体の異常がわかるのか。
その理由は、体内に存在しているホルモンの働きが分かるからなのです。

女性ホルモンには、エストロゲンやプロゲステロンなどさまざまありますが、
これらがとても重要な働きをするのです。
エストロゲンは卵胞ホルモンといって、赤ちゃんのもととなる卵が成長をはじめます。
一方のプロゲステロンは、黄体ホルモンといって子宮内膜を厚くし受精卵の着床を準備するもの。
分かりやすく言えば赤ちゃんが育つ部屋を作るホルモンです。
時期的にはそれぞれ、エストロゲンは月経の後、低温期に増加し、
プロゲステロンは排卵後の高温期に増加することが分かっています。

このことから、低温期から高温期へと移行する期間に
おおむね排卵がされていることが予測が可能になります。
つまり妊娠ができる時期ということです。

ですから、基礎体温を計測するということは、
妊娠に向けて排卵日をおおむね予測することができるようになります。
逆に、妊娠を望まない場合は、その期間を注意いただくことになるということです。

基礎体温が大切だということがお分かりいただけましたでしょうか。

また、もしかしたら
受診の際に基礎体温を計っていないから
受診する時に怒られるのではないかとか、
受診を断られるのではないか、
といった心配があるかもしれませんが、
特にそれは問題ありません。

すでに継続的に基礎体温を計測されている方は
ご持参いただくことが理想ですが、
さまざまなご事情もおありかと思いますので、
これといって気にすることはありません。
もちろん、不妊治療を開始することであったり、
婦人科的疾患の改善をしていくにあたっては
基礎体温が必要になってきますので、
受診されてからは少しでも早い改善のために
継続的に計測いただくことになります。
こればかりは、面倒かもしれませんが、
ご自身の体のためですのでご理解いただければと思います。

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