不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

診療案内

ピル処方・月経調節

低用量ピルとは

 女性ホルモン(エストロゲンとプロゲストーゲン)が含まれた薬です。ピルを服用することで排卵を抑制し、妊娠を防ぎます。また、万が一排卵して受精した場合でも、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態に変えたり、精子が子宮内に侵入するのを防ぐ作用もあるため、正しく服用すれば、100%に近い避妊効果があります。

 ピルの利点

避妊以外のメリットとして、月経痛の軽減、月経量の減少、月経時の貧血改善、良性乳房疾患、子宮外妊娠、良性卵巣腫瘍、卵巣がん、子宮体がん、大腸がん、中高年の骨粗鬆症、関節リウマチの発症リスクの低下、人によっては、ニキビの改善などに効果がみられる場合もあります。また月経不順及び子宮内膜症の進行抑制と症状改善の治療目的で使用されることもしばしばあります。

副作用は?

稀に、吐き気、頭痛、乳房の張り、少量の不正出血などがある方もいますが、症状の多くは2~3ヶ月で軽減します。また、太ることを心配されている方もいますが、ほとんどの女性では変化がありません。また、ごく稀ではありますが、血栓症などの副作用や、服用中は乳がん、子宮頸がんの発症率がごくわずかに高くなるとの報告があります。ピル服用の有無に関係なく、定期的な検診が大切です。

不妊治療の一環として、体外受精時にもピルを使うことがあります

ピルと体外受精・・・一見無関係のようではありますが、調節卵巣刺激前にピルを使うことによって、採卵前の排卵を抑制する、卵の質・大きさを揃えるというメリットがあると言われています。

ピルの服用法は?

・Day1スタート・・・月経が始まった1日目から、指定された順番通りに1日1錠服用してください。

・サンデースタート・・・この方法は月経が週末と重なりにくいというメリットがあります。月経が始まった後の最初の日曜日から、指定された順番通りに1日1錠服用してください。ただし、最初の一週間はコンドームなどの他の避妊法を併用してください。

いずれのスタート方法でも大体同じ時刻に服用することが大切です。しかし飲み忘れてしまったら、24時間以内ならば気付いた時にすぐに1錠服用します。ちょうど24時間後ならば、前日の飲み忘れの分とあわせて同時に2錠服用します。2日以上超えてしまった場合には、その周期のピルでの避妊は中止するか、医師に相談してください。

ピルの入手方法

服用にあたっては医師の処方箋が必要です。
処方にあたっては問診、血圧検査を実施し、1周期3,150円(税込)で処方させていただきます。

*初回の処方は1ヶ月分として内服状況を確認いたしますが、問題なければ、2回目以降の診察時に最大6ヶ月処方いたします。

ネット通販、オンライン等の手軽に入るものが流通し始めていますが、実際には認可されておりません。オンライン上ではなく、対面式の診察のうえでクリニック処方されることが医師方によって義務付けされています。

そのため手軽であるといった理由で流通元が不明瞭で違法性のあるものや偽物など判別がつきづらいものはお勧めできません。

対面式の診察のうえ処方することと合わせて、子宮癌検査を含めた婦人科的診察、および血液検査を年に1回施行することもお勧めいたします。

代表的なピル

28日間を1サイクルとして服用します。28日間服用するタイプは、ホルモン成分が入った錠剤を21日間服用し、その後7日間はホルモン成分が入っていない錠剤を服用します。これにより飲み忘れを防ぐことができます。

現在、日本で用いられている避妊方法には、いろいろな種類がありますが、確実な避妊方法としては、『ピル』が最も信頼できます。また女性が自らの手で完全にコントロールできる避妊方法です。

低用量ピルはこんな人にもおすすめです

・生理が重い、激しい、つらい、生理痛がひどい

・生理のたびに体がだるく、やる気がおこらなくなる

・生理前に限ってイライラしたり、周囲にあたりちらしたりして自己嫌悪に陥る

・生理前にニキビや吹き出物など肌の調子がとても悪い

・予定を立てる時に生理不順で困る

・パートナーが避妊に非協力的

メリットという点でいえば、上記内容が改善できるというところですが、具体的にあげていくと生理痛・月経痛が軽くなる、生理の量が減る、月経時の貧血 改善。月経前緊張症がなくなること。ふきでものがでなくなり、お肌がきれいになる。生理をずらすことができたり、生理がくる日が事前に分かり予定を立てやすくなる。子宮内膜症の予防ができたり、良性乳房疾患、子宮外妊娠、良性卵巣腫瘍・卵巣ガン・子宮体がん・大腸ガンのリスクが減らす。中高年の骨粗鬆 症、関節リウマチの発症リスクの低下といった多くのことがあげられます。また月経不順及び子宮内膜症の進行抑制と症状改善の治療目的で使用されることもしばしばあります。

ピルに関するよくある質問

●ピルを飲んでいれば性感染症は防ぐことはできますか?

→ 防ぐことはできません。コンドーム装着をおすすめします。

●中高年でも、ピルを飲むことができますか?

→ ホルモンバランスの乱れからくる更年期障害などに有効ですので、おすすめできます。

●避妊目的でのピルをやめたあと、妊娠に影響はありますか?

→ 順調な方であれば翌月からすぐに妊娠が可能です。

●ピルに頼ると妊娠できなくなるのでは?

→ 服用後の妊娠には特に影響はありません。

●ピルは毎日飲む必要があるのですか?

→ 毎日続けて服用することが大切です。

●一度でも飲み忘れると、避妊効果はありませんか?

→ 2日間飲み忘れたら服用をおやめください。

●ピルを飲むと、月経がなくなるのですか?

→ 排卵は無くなりますが、月経用の出血は起こります。

●ピルを飲むと副作用でがんになりやすくなるのでしょうか?

→ 巷のうわさや口コミなどで誤解されていることが多いようですが、ありません。こちらを勘違いされているかもしれませんが、現在がんにかかっている方は飲んではいけません。ということです。

●ピルを飲んではいけない人はいますか?

→ 中学生以下や年齢に関わらずタバコを毎日15本以上喫煙される方、過度の肥満、血栓症、既往(病歴)が過去にある方。もちろん妊娠中はいけません。

●ほかの病気で病院に行ったとき、ピルを飲んでいることを言う必要はありますか?

→ 他の薬同様に申告してください。

⇒ ピルの服用でがんや不妊症になるという誤解 (ブログ記事)

ピルを飲むと不妊治療が必要な体になってしまうのか?(ブログ記事)