不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

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不妊治療はいつはじめるのが理想か?

妊娠する人、妊娠しない人。
この差はどういったところにあるのでしょうか。

簡単にいえば、妊娠できる能力があるかないか。
妊娠の能力とは、健康であるということ。

では健康とはなんでしょう。
病気や疾患がないということはもちろんとの前提で。
極端ではあるのですが、
過去に80歳を超える人生の大先輩に聞いてみたことがある。
するとこんな答えが返ってきた。

「はたちや30歳頃の1年と、65歳頃を越えてからの1年は単位は同じでも、まるで別世界」
「自分にも“はたち”という時期はあり、気持ちは基本的には変わらずその時のままだ」
「ただひとつ違うのは身体がついてこないという現実」

たしかに、学生時代なんかであれば、
朝方まで徹夜で遊ぶことだって平気だったりしますね。
「寝てないんですよー」とか言いながら
働いていたりすることだってあったかもしれません。

それが20歳も半ばに差し掛かる時には
「睡眠はマスト。ゼッタイ必要」という変わり様。
この記事を見るであろう方々の年齢に合わせて、なるべく分かり易く表現してみたのですがいかがでしょうか。

これが5~10年の間に起こる健康に対する意識の違いや変化。ただ、これが5年周期とかで少しずつ減少していくのであれば良いのですが。どうもそういうことではないようですね。年々体力の減少の度合いが増していく感覚があります。

「山登りのように、登ってみないと分からない景色がある
「いつ死ぬか分からないから、今日1日1日が真剣勝負。悔いの無いように」
これらの言葉にはとても重い言葉を感じましたね。
つまりどういうことでしょうか。

健康とは、若さに勝る健康はないということ。
どれだけがんばったとしても、
時間や年齢はみなに平等で、
誰も勝てないということなのです。

つまり、妊娠を望むことも健康であることが第一条件。
妊娠するまでにも体力が必要ですが、
妊娠から出産までも相当体力が必要になります。
そして、出産した後の育児はまた体力が必要なのです。

つまり、極論をいってしまえば、
体力があり、若いことに越したことがないのです。
逆にいえば、年齢が上がれば上がるだけ
体力が低下してくるということのは避けられません。

ですから、もちろん妊娠するための体力も
落ちてしまうということなのです。

不妊治療というのは、基本的には“妊娠するまでの過程をスムースにすること”です。だから、何か妊娠が困難になる疾患などにより不妊症という状態になっている場合には、それらの症状を取り除くことに時間を割く必要があり、簡単な表現にすればまず健康を目指すということが先決になる。そこまでは妊娠するかどうかではなく、健康になれるかどうかなのです。

ですから妊娠可能かどうかの不妊検査は、自覚があるなしに関わらず30歳を超えたあたりで、健康の確認程度の感覚で一度受けてみてはいかがでしょうか。