不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

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採卵後のお腹ぽっこりいつまで?について

一般不妊治療・人工授精、体外受精において
排卵誘発剤を用いた不妊治療の結果、採卵後、排卵後にお腹ぽっこりになり、
「何日ぐらい、いつまでに治りますか?」といった
質問をいただくことがあります。

*内服薬のみの治療の方はほぼおこりません
*内服薬+注射、もしくは注射のみの場合にぽっこりになりやすいです

排卵誘発剤を用いた結果
・卵胞が10個以上育った
・エストロゲンが高い(3000以上)

上記の場合に、卵巣が腫大したり、腹腔内に腹水が溜まることがあり、
内臓が上に押し上げられて、
お腹ぽっこりの状態となって違和感を感じる可能性があります。

お腹ぽっこりの持続期間について

お腹ぽっこりの状態は
軽度、中等度、重度によって持続期間が違います。

気になる方は診察を受けていただき
卵巣の腫大、腹胸水の有無を確認してください。

①軽度の場合(卵巣の腫大が軽度、腹胸水なし)
 前より少しお腹が出てきたと感じるような違和感。
 痛みや生活の不便はさほど感じない程度。
 通常の生活をしていただいても大丈夫です。

②中等度の場合(卵巣の腫大している、腹水少量、胸水なし)
 腹痛や違和感がひどくなる方がいらっしゃいます。
 引き続き経過観察が必要になりますので診察を続けていただくことと
 運動と体に負担のかかることはお控えください。

③重度の場合(卵巣の腫大がひどい、腹水あり、胸水あり)
 腹痛、胸水のある方は呼吸困難が生じることがあります。
 場合により通院、点滴治療、また超重度の場合は入院治療が必要になります。

軽度、中等度、重度、いずれにしても生理がくるとほぼ改善されます。
ただ、妊娠した場合は生理がきませんのでお腹ぽっこりが継続することがあります。

*軽度の場合は生理前に経過観察していたら治ることもあります。

いつ、何日ぐらいで、治りますか?

記事の冒頭にある
「いつ、何日ぐらいで、治りますか?」の回答については
上記に記載した症状の具合を参考にご自身がどのケースにあたるかを判断されると良いと思います。

ポイントとしては生理がくるタイミングでほとんどの方が改善されますので
治療を受けたところで受診していただき生理まで様子を見ていただくか、医学的介入をする手段があります。

【医学的介入として】
・体外受精、全胚凍結の方のみの場合
保険適応のある方はアンタゴニスト製剤を注射したり
レトロゾールを内服することによって生理を早める治療方法もあります。
*2022年4月より保険適応になりました。

・一般不妊治療、人工授精の場合
治療後は妊娠を期待しますので、HCGを使用すると悪化するケースがありますので、使用しないようにしていただき、カバサールを連日服用してOHSSの症状がさらに進行しないようにすることぐらいしか医学的な介入はできません。

【補足】

お腹っぽっこりでも気にする年齢と、気にしなくてもいい年齢があります。

35歳未満の方ですと、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の一環として稀に血栓症の原因となることがありますので、点滴治療等が必要になることがあります。

40歳以上の方ですと、ほとんどのケースで血栓症等の重症な結果となることがありませんので心配されることはありません。