不妊検査について(検査項目や費用一覧)
不妊検査の種類
不妊症検査は大きく分けて3種類の検査があります。
・感染症検査
・スクリーニング検査
・二次検査
感染症検査
不妊の原因や院内感染予防のため、男女ともに感染症の検査を実施いたします。感染症がある状態で不妊検査を行うことにより、感染症を悪化させてしまう可能性があるためです。また不妊治療を無事に終え妊娠し、出産をした後の新生児にも影響を及ぼす可能性があるためです。
男女共通 | 採血 B・C型肝炎 梅毒 AIDS 風疹抗体 |
---|---|
女性のみ | おりもの クラミジア 淋菌 子宮がん検査 乳がん検査 |
生理周期に合わせて行う検査
不妊症検査には、生理周期に合わせて行うものがあり、主な検査を以下の表に示します。
月経期 | 卵胞期 | 排卵期 | 黄体期 | ||||||
低温期 | 高温期 | ||||||||
LH(黄体化ホルモン)検査 | 子宮鏡検査 | エストロゲン(卵胞ホルモン)検査 | プロゲステロン(黄体ホルモン)検査 | ||||||
FSH(卵胞刺激ホルモン)検査 | 通水検査 | フーナーテスト |
スクリーニング検査
不妊の原因を見つけるための検査(スクリーニング検査)を以下の表に示します。
費用は原則自費となりますが、一部保険診療で行うものもあります。また、費用は変更する場合があります。
※ 最新の生殖医療学会のガイドラインの変更として、「甲状腺ホルモン」と「抗精子抗体」の検査がスクリーニング検査に加えることが推奨されました。
検査項目 | 検査説明 | 検査時期 回数 |
自費 |
---|---|---|---|
超音波検査 | 卵胞計測や子宮内膜厚の測定、卵巣のう腫や子宮筋腫などを確認します。 | 各時期 1周期に複数回 |
1,500円 |
LH(黄体化ホルモン)検査 | 排卵を誘起したり、排卵後に黄体の形成を促す脳下垂体ホルモンを検査します。 | 月経期 1回~必要に応じて |
1,600円 |
FSH(卵胞刺激ホルモン)検査 | 卵巣を刺激して卵胞の成熟とエストロゲンの分泌を促す脳下垂体ホルモンを検査します。 | 1回 | 1,600円 |
エストロゲン(卵胞ホルモン)検査 | 子宮内膜を厚くし、子宮頸管粘液(おりもの)量を増加させる卵巣ホルモンを検査します。 | 排卵期その他 1回~必要に応じて |
1,900円 |
プロゲステロン(黄体ホルモン)検査 | 基礎体温上昇や子宮内膜に受精卵を着床しやすくする黄体ホルモンを検査します。 | 黄体期その他 1回~必要に応じて |
1,800円 |
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)検査 | 排卵障害、着床障害等不妊症の原因となる脳下垂体ホルモンを検査します。 | 月経期その他 1回~必要に応じて |
1,500円 |
子宮鏡検査 | 子宮内のポリープ、子宮筋腫、癒着等がないか観察します。 | 卵胞期 原則1回 |
3,500円 |
通水検査 | 卵管の通過性を調べます。 | 卵胞期 原則1回 |
2,000円 |
フーナーテスト | 子宮頸管粘液(おりもの)内の精子の運動性、数をみます。 | 排卵期 2回以上 |
– |
クラミジア検査 | 子宮頸管の感染症がないか検査します。 | 初回内診時 原則1回 |
2,000円 |
子宮頸管粘液検査 | おりものの状態をみます。 | 卵胞期~排卵 1周期に複数回 |
1,000円 |
LH-RHテスト | LH、FSHの負荷試験です。基礎値と負荷後30分後のホルモン値を調べます。 | 月経期 原則1回(全員ではありません) |
– |
精液検査 | 精液量、総精子数、運動率、正常形態率、動きをみます。 | いつでも可 2回以上 |
別途 容器代 600円 |
生化学・貧血検査 | 不妊治療を行うにあたって、肝機能や腎機能、糖尿病や貧血等がないか検査します。 | いつでも可 原則1回 |
4,000円 |
甲状腺機能検査 | FreeT3、FreeT4を調べます。亢進、低下ともに不妊、流産の原因となります。 | 原則1回 | 3,200円 |
抗精子抗体 | 精子に対する抗体があるかを検査します。 | 原則1回 | 6,000円 |
二次検査(難治性不妊の方が受ける検査)
検査は原則、スクリーニング検査から始めて、治療が進むとともに二次検査をしていきます。
※2022年4月より保険適用になったものは保険適用で施行します。
但し、保険適用外のものもありますのでご了承ください。
検査項目 | 検査説明 | 検査回数 | 自費 |
---|---|---|---|
AMH(抗ミュラー管ホルモン) | 卵巣予備能の検査です。年齢とともに値は低下します。 | 1回~必要に応じて | 6,000円 |
感染症検査 | B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVを調べます。将来の妊娠に備え、母児ともに影響のある感染症を検査します。 | 原則年に1回 | 2,000円 または 4,000円 |
腫瘍マーカー検査 Ca125 |
子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫等では高値を示します。 | 原則1回 | 1,900円 |
腫瘍マーカー検査 Ca19-9 |
同上 | 原則1回 | 1,900円 |
自己免疫検査 抗核抗体 |
原因不明反復流産や着床不全に関係する抗体の値を検査します。 | 原則1回 | 2,000円 |
抗DNA抗体 (自己免疫検査) |
同上 | 原則1回 | 2,500円 |
クラミジア抗体検査 | 過去のクラミジア感染の有無がわかります。卵管や腹腔内の感染の可能性があり、不妊の原因になることがあります。 | 原則1回 | 2,200円 |
子宮内膜検査(反復着床不全の方が受ける検査)
体外受精-胚移植において、良好胚移植で反復着床不全の方は、子宮内膜の着床に関わる、精密な検査をご検討ください。
ご希望があれば、スクリーニング検査の時点でも検査可能です。
※当院では先進医療に認定されていますので、保険治療と併用が可能です。
検査項目 | 検査説明 | 検査回数 | 自費 |
---|---|---|---|
ERA -エラ- (子宮内膜着床能検査) |
胚移植の着床に適した期間(着床の窓)を調べます。 | 1回 排卵から5日目 |
120,000円 |
EMMA -エマ- (子宮内膜マイクロバイオーム検査) |
子宮内膜が妊娠に適した乳酸菌バランスかを調べます。 ※ EMMA+ALICE検査 同時のみとなります。 |
1回 高温期 |
60,000円 |
ALICE -アリス- (感染性慢性子宮内膜炎検査) |
慢性子宮内膜炎を起こす細菌・病原菌を調べます。 | 1回 高温期 |
45,000円 |
EndomeTRIO (ERA+EMMA+ALICE) 検査 上記3項目検査 |
上記3項目を複合的に調べます。 | 1回 3検査同時に行なえます |
140,000円 |
※ 表示は2022年11月現在のものです。
予告なく変更することもありますのでご了承ください。
■関連ページ
⇒ 不妊症・不妊治療について
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