理想の1回あたり採卵数について
至適採卵数(理想の採卵数)についてご説明します。
2022年4月の保健適用以降
移植の回数制限が設けられ、
保険の範囲内で妊娠を目指すという考えに基づいて
採卵、至適採卵数が考えられてきました。
その結果
数が多ければ多いほど良いというものではなく
統計上、15個以上とれても妊娠率向上にはあまり繋がっていないのが現状です。
現時点では10個〜15個が至適採卵数と考えられるようになってきました。
仮に10個弱が受精して、全て長期培養したとすると
4〜5個程が胚盤胞に到達し、
良好胚が半分程度あれば、
2回の移植で1回妊娠
仮に流産したとしても3回の移植で出産という流れになります。
患者様から1回あたりの採卵数についてご質問をいただく場合がありますので
至適採卵数は「10個〜15個」とお伝えしています。
ただし、至適採卵数に到達が難しい場合もありますので
傾向について紹介と対策をお伝えいたします。
<30代中盤まででAMHが2以上の方>
どの刺激方法を選択していただいても十分かと思います。
<30代後半〜40代の方やAMHが1〜2の方>
1回の採卵で10個とるというのは実際厳しいことが多いです。
当院ではアンタゴニスト法かショート法をお勧めしています。
確実にとれるわけではありませんが高い可能性で採卵できます。
<40歳以上の方やAMHが1未満の方>
クロミッド法やショート法をお勧めしていますが
現実的にどの刺激法でも10個以上採卵することは難しいので
採卵の回数が増えることを覚悟していただくと良いと思います。
<AMHがあまりにも低い方>
卵巣PRP療法、およびG-csf(ノイトロジン)を採卵の前月に2回皮下注射をすることで効果がある場合もありますのでご相談ください。