不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

よくある質問(不妊治療)

その他の不妊治療・不妊症に関する質問まとめ

一般不妊治療をきちんと受けているのに、わたしはどうして妊娠しないのですか?

まず妊娠するまでの順序を簡単に説明しますと、排卵した卵がお腹にこぼれ落ちたあと、卵
管が卵を拾い上げる、それをピックアップといいます。その後に卵管まで到達した精子と卵
子が受精する。そして、受精卵が子宮に移動するといった流れになります。

排卵時期については、超音波検査やホルモン検査、基礎体温などさまざまな検査で確認がで
きます。

ただあまり知られていない事実なのですが、ピックアップという場面について、卵巣と卵管
がつながっていて、排卵した卵はもともと卵管の中にあると多くの方が思われているようで
すが、これは間違いです。実際には、卵管が卵を拾い上げるピックアップという場面で、う
まく卵を拾い上げられない状態。いわゆるピックアップ障害が起きることが分かっています
。これについては、現在の医学では調べる方法がないのが実情です。

あと、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が分かっている方については、当然ながらピックア
ップがされにくいのですが、そうでない方でもピックアップされたかどうかについては分か
らないのです。
精子に関して、例え正常であっても、卵管まで到達しているかを調べる方法がないのが現状
です。

受精については、排卵から2日~3日目に卵管の中で精子と卵子が受精するといわれていま
すが、これも同じく受精しているかどうかを調べる方法がないのです。
次に、受精した場合に排卵してから5~6日目に、受精卵が子宮の方に移動してくる着床と
いう現象がありますが、これも同じで調べられないのです。

ですから、今回妊娠について言えることは、これらすべての現象がうまくいってはじめて成
立するということで、人間の妊娠率というものは不妊症でない方でも30~35%程度のも
のなのです。分かっていることとしては、不妊症の方に関しては、それらの妊娠に必要な要
因の中で、どこかがうまくいっていないということです。

妻は1度受診し婦人科検診的に異常なし。男性のみ来院、検査OKなら不妊症ではないですよね?

まず結論から申し上げますと答えはNOです。

よく勘違いされがちな、婦人科検診、不妊検査という言葉でしょうか。

不妊治療を専門としているクリニックがどこであろうと、1度受診した程度ではOKという判断は難しいと思います。

婦人科検診的には大丈夫だとしても、不妊症かどうかは判断は難しいでしょう。しっかり不妊検査をしていただかないと分からないことが多いのが実状です。はやる気持ちは分かりますが、ご自身で勝手に判断しないようにしていただければと思います。

ではなぜ1度受診したのに判断が難しいのか。

それは不妊症かどうかを判断するために、あらゆる観点から原因となる因子を特定するため不妊検査を実施するのですが、不妊についてはさまざまな原因があるため、それに合わせた多様な検査があるのです。

例えば検査する項目として「子宮・卵巣の検査」「排卵をしているかの検査」「卵管の検査」「最低限のホルモン検査」「基礎体温」など、おおよそ分かる最低ラインのチェックだけでも、1週間に1回のペースで受診されても、およそ1ヶ月はかかるでしょう。もちろん細かくみていくと必要に応じて検査は数多くあります。

では、1度にすべて分かる方法はないのか?という疑問もおありでしょうが、それは体の機能を調べる中で、例えば卵管の検査だと排卵の後に調べる必要があったり、基礎体温をみるために1ヶ月後に再度確認するなど、それぞれに合った女性の身体の時期があるため、いくらタイミングを合わせて1度ですべて調べるということができないのです。

そもそも、婦人科検診と不妊検査というものは別物なので勘違いしないようにしてください。もしかしたら勘違いされている方がいるかもしれないので、念のためお伝えしておきます。

 

女性からすると、旦那さんも一緒に病院に行ってほしい」と思うのですが・・・理解してもらうようにどのように伝えれば良いでしょうか?

A.  たしかにそうなのですよね。
ただ、現状ではそれは非常に難しいことかもしれません。

というのも、一般的に日本人男性は検査を嫌がる方が、診療をしてきた現場の印象では多いですね。
やはり産婦人科 に入りにくいという気持ちもありますし、極端な方になると、マスターベーションで自分の精子を検査されることすら嫌がる人もいらっしゃいますね。協力的な 方ももちろんいらっしゃいますが、残念ですが非協力的な方が多いのが実状です。

そこはご夫婦で、ライフプランの中で「子どもをいつ頃もちたいのか」をまずよく話し合っていくことからではないでしょうか。
しかし、女性ばかり検査して男性は検査していないというのは、それも全く意味がないですから、最低1、2回は男性自身の検査もさせていただく必要はあると考えています。

 

エステで美容のために脱毛をしても不妊治療に影響はないでしょうか

こういったご質問を時折いただくことがあるのでお答えいたします。
美容の目的でエステなどを利用されるのは、特に自由ですが、自己責任でお願いします。
としか残念ながら申し上げられません。

なぜなら、一般的なエステといわれている業態は、医療行為ではないため、医療機関側からはどのようなことを行っていて、どのような根拠で行っているのか全く分からないのが現状なのです。別にエステを否定しているわけではありませんが、私どもの医療とは全く別物なので、把握しきれないというところでしょうか。
もしご自身が不安な場合は、施術をされるところで、十分に納得いくような、お体に与える影響などの詳しい説明を受けるようにしていただければと思います。

他には、サプリメントは影響がありますか。
という質問もありますが、婦人科では食品を扱っておりませんので、良いという判断を下すことは難しいところがあるのが現状です。
サプリメントは薬ではありませんので、食事を摂取することと同じように、まずは食生活をしっかりしてあくまで補助的なものとしてとらえてください。
過度または多種類の摂取はおすすめしておりませんが、ご自身に適したものは適宜服用いただければと思います。
そういった点に気をつけてご自身で判断をしていただければと思います。

 

体外受精は排卵した卵を子宮で採取するのですか?

A.  いいえ。排卵前の卵を卵巣に針を刺して採取します。

卵を目視では確認出来ないため、排卵してからではお腹のどこにあるか分からなくなるので、排卵してからでは採卵は出来ないのです。
採卵の一番良いタイミングとしては、排卵直前の排卵寸前くらいの時に針を刺して、卵胞の袋に卵胞液という液体が溜まっていてその中に卵がはいっているので、液体を引いてくるのです。すぐその場で顕微鏡で液体の中に卵があるかどうかを確認するのが採卵なのです。体外受精のひとつです。

 

よくあるご質問(不妊症・不妊治療)