【不妊の方向け】子宮内膜症・子宮筋腫の方への治療方針
子宮内膜症・子宮筋腫は近年増加傾向にあります。
生理痛など月経困難症の原因になるばかりではなく、不妊の原因にもなります。
不妊原因となる主な状態
1、内膜症は骨盤内の臓器同士を癒着させることもあります。
・卵巣が卵の放出
・卵管への卵の取り込み(pick up)
・卵管による卵の輸送
これらが障害されて不妊に
2、内膜症は骨盤内の慢性的な炎症です。
慢性的な炎症が起こると、腹水が溜まることがあります。
(腹水中には免疫細胞、炎症物質が増加)
・卵胞の発育障害・卵胞の質が低下・受精率の低下
・卵巣内に発育した子宮内膜症(チョコレートのう腫)は卵巣機能を低下させる
これらが不妊の原因に
*内膜症の大きさが7~8cm以上 → 手術が必要 *チョコレートのう腫はがん化することがある。 (発生率は0.5%前後だが40歳以上または内膜症の大きさが10cm以上はリスクが上がる) 画像検査(MRI)により病変の位置を確認 採血検査(CA125)で診断と治療効果判定の補助 |
内膜症手術後のデメリット
① 卵巣機能が低下する可能性
AMHが低下し、卵巣反応が低くなる可能性が高い
② 再発のリスクがある
根治治療ではないため、100%治るとは言い切れない
③ 開腹手術になった場合、癒着等の合併症と待期期間が長期化することがある。
④ 内膜症の手術は、原則一生に一回限りである
不妊治療の方針
自然周期 or 人工授精(3周期) ⇒ 体外受精
内膜症の手術後の治療方針
手術後 半年間は待機療法
35歳未満 | 自然周期 or 人工授精 (半年間) ⇒ 体外受精(IVF) |
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35歳以上 | 自然周期 or 人工授精 (3周期) ⇒ 体外受精(IVF) |
人工授精について
明らかな原因のある方 | 人工授精(3回以内) |
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年齢が38才以上 | 人工授精(3回まで) ステップアップして 体外受精(IVF)に進むか来院時に相談 |
AMHが低い方 | 人工授精に限らず 今後の治療方針を相談 |