不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

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当院の方針:HMG製剤 尿由来 遺伝子組み換えについて

当院では患者様の皆様に対して
できる限り金銭的負担の軽減を考えております。
今回はHMG製剤についての解説と
今後のご理解いただきたいことについて記載いたします。

現在、HMG製剤は
尿由来のものより遺伝子組み換えのものが主流になりつつありますが
安価なものは尿由来のものになりますので
当院ではできる限り尿由来のものを引き続き購入していきたいと考えています。

幸いにも当院は、これまでにも多くの尿由来の製剤を使用してまいりましたので
出荷調整がある状態でも尿由来であるHMGフジを多く購入することができています。

但し、尿由来のものは製造工程が難しいため、
今後も大手製造メーカーが撤退傾向にありますので
本来は患者様全員に安価な尿由来のものを使用したいのですが
在庫の関係上、どうしても叶わないことが出てくると予想されます。
そのため下記のような方針にて対応させていただたいと思います。

・一般不妊治療の患者様
 尿由来のものを在庫があるかぎり使用いたします。

・体外受精の患者様(保険の方)
 ゴナールFの自己注射(ペン型)を中心に使用いたします。

・体外受精の患者様(自費の方)
 レコベルの自己注射(ペン型)を中心にに使用いたします。
 エコー等の来院時には尿由来のHMG製剤を状況により使用いたします。

引き続きHMG製剤だけに関わらず
患者様の金銭的な負担軽減を考えて診療を続けてまいります。

出荷調整の補足・詳細情報について

出荷調整の現状について
・尿由来のHMG製剤メーカーが撤退傾向
 遺伝子組み換え違って増産が困難

・遺伝子組み換えに注文が殺到
 特にゴナールF(一般不妊治療に多く使われたため)

・現在は遺伝子組み換えの出荷調整は解除の方向へ
 しかし尿由来はさらに入手困難

出荷調整の背景について
製造工程の困難さに合わせて
2022年4月の保険改定で保険適用されたことにより
需要が増えたことも要因です

・HMG製剤(尿由来)
 一般不妊治療、体外受精どちらでも保険適用

・HMG製剤(遺伝子組み換え)
 レコベルは体外受精のみ保険適用
 ゴナールF、フォリスチムは一般不妊治療、体外受精どちらでも保険適用

補足
・ゴナールFのシリンジは製造中止となりました