精子抗体等の自己抗体と不妊の関連について
精子抗体について
多くの女性は精子に対する抗体は持っていませんが、稀に精子に対する抗体をお持ちの方がいます。
中〜高度の陽性の方は治療の方向性を再検討
検査の結果、
弱陽性の場合は自然妊娠や人工授精で妊娠される方はいますが、
中~高度の陽性の場合は治療の方向性を変更する必要があります。
なぜなら精子抗体を下げる治療は現在存在しないため、体外受精の中でも顕微授精をしないと妊娠が難しいからです。
精子抗体の検査について
残念ながら保険適応のものがないため自費の検査になりますが、
不妊期間が1年以上の方には、不妊治療の方向性を検討するためにも、一度抗体検査をしていただくことをお勧めします。
尚、不妊治療開始時でも検査できる方は検査しても良いと思います。
学会のガイドラインでは不妊治療開始時に、全員にスクリーニング検査として行うことを推奨されています。
精子抗体以外の抗体について
自己抗体は精子抗体以外にも抗DNA抗体など、他にも多く存在します。
それらの抗体が不妊の原因に繋がっている可能性もあります。
どの抗体も数値が非常に高い方は膠原病になります。
重度の陽性の場合はおそらく症状で気づくことができますが、軽度の陽性の場合は症状がありませんので、日常生活でなかなか気づくことはできません。
しかし、これらの自己抗体の異常によって不妊症の原因になっている場合があります。
抗DNA抗体、抗核抗体、抗カルジオリピン抗体等に関しては、アスピリン内服、漢方薬内服等の治療方法が存在しますので改善することが可能です。
自身の抗体について気になる方は検査をお勧めします。