hCGの供給不足について
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は
生産過程が尿由来(フジhCG)のものと、遺伝子組み換え(オビドレル)があります。
尿由来のものは現在ほとんどが中国で生産されるため慢性的な供給不足となっており出荷調整状態です。
それに伴い、増産が可能なはずの遺伝子組み換え(オビドレル)も出荷調整となってしまいました。
尿由来のものは排卵惹起(はいらんじゃっき)と
黄体補充(黄体賦活)に使用されますが
遺伝子組み換えのものは排卵惹起にしか使用できません。
※排卵惹起
排卵障害の方にクロミッドやHMG等の排卵誘発剤を使用して
排卵を起こさせるためにLHサージを引き起こさせることです
※黄体補充
排卵後、卵巣から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され着床の手助けを行いますが、黄体ホルモンの分泌が低い方がいますので補充をおこないます。
現状、当院としては在庫をある程度確保しておりますが
今後さらに出荷調整で品不足となった場合は
黄体補充は黄体ホルモン製剤の内服に変更し
排卵惹起は
生産過程が尿由来(フジhCG)
もしくは、遺伝子組み換え(オビドレル)
もしくは、点鼻薬(ブレセリン)
となりますのでご容赦ください。
*産婦人科以外でも小児科でも使用されるためさらに確保が難しくなっています。
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今後の出荷調整の改善については不明です。
尿由来のものは
以前はヨーロッパでの修道院の尿を使用し
エイズ等の感染症がない方のものを使うことを絶対とし
厳重な管理体制によりおこなってきましたが、
この管理体制が非常に厳密さを求められるため増産が難しいとされています。