多嚢胞性卵巣の診断基準変更について
そもそも多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)とは
性成熟期の女性の5~15%程に見られ症状は多岐に渡り、人種差がありますが不妊原因としてはとても多いものです。
2023年12月 日本産科婦人科学会より新しい基準が発表されましたが、
ご存知ない方もいらっしゃると思いますので改めて新しい基準を下記に記載いたします。
①月経周期異常(無月経、稀発月経、無排卵周期症)
②多嚢胞卵巣またはAMH高値
③アンドロゲン過剰症またはLH高値
これら全てを満たしている方が多嚢胞性卵巣と診断されます。
日本人での症例をもとに
多嚢胞性卵巣の方の身体的特徴を調査したところ
・多毛 13.5%
・BMI30以上の肥満 10.3%
この結果により
男性ホルモンが影響している可能性について示唆されました。
もし①〜③に該当すると思われる方は
一度ご来院の上、ご相談ください。
治療に関しては、
まずホルモン状態を調べ、
一般不妊治療の方は、レトロゾール、またはクロミッドを内服し、必要があればHMG注射を追加していく方法が有効だと考えています。
体外受精の方は個別に刺激方法について検討してまいります。