不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

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不妊治療関連の薬剤(内服・注射・膣坐薬等)出荷調整の現状

不妊治療、特に体外受精(ART)関連は
市場の製剤が他と比べると狭いため、数社で全ての薬剤を扱っています。

現在もっとも厳しいのが尿由来のHMG、HCG製剤で
近い将来、不足に留まらず無くなる可能性があります。

遺伝子組み換えのHMG製剤につきましては
尿由来のものではないため、
いくらでも製造できると考えられていましたが

前述しましたように少ない会社数で製造していますので
一つの会社が出荷調整になると、他の会社にも影響が出て
業界全体が困ることになってしまいます。

問題点はいくつかありますが
過去1年間に購入していない医療機関は出荷調整がかかると
購入実績により購入量が振り分けられますので
購入していない医療機関は購入されることができません。

今回、突然9月に
遺伝子組み換えのHMG製剤
(ゴナール、レコベル、フォリスチム)

遺伝子組み換えのHCG製剤
(オビドデル)

が出荷調整となり驚愕しましたが

当クリニックは過去に
ゴナール製剤とレコベル製剤の購入実績がありますので
一定量は購入することができています。

さらに、最近フォリスチム製剤が発売されましたので
こちらは過去の購入実績に関係なく購入することができました。

これにより3つの製剤を確保できましたので
患者さんにご迷惑をおかけすることはないと思います。

しかし、これら3つの製剤で対応することになりますので
在庫状況により
3つの中から振り分けさせていただきます。

ご希望に添えないケースも出てくると思いますので
ご理解とご容赦ください。

*黄体ホルモン製剤(内服・膣坐薬)について
以前、出荷調整がかかりましたが
現在は解消されています。

出荷調整はどのような理由で掛かるかわかりませんので
リスク分散するためにもいろんな薬剤を確保できるようにしておきたいと思います。