G-CSF(フィルグラスチム)による子宮内膜改善治療
はじめに
不妊治療において、子宮内膜の厚さは胚移植の成功率に大きく影響する重要な要素です。特に、子宮内膜が十分に厚くならない方や、反復着床不全でお悩みの方にとって、この問題は大きな課題となっております。
当院では、このような患者様に対して、G-CSF(フィルグラスチム)の子宮内投与という治療法を積極的に導入し、良好な結果を得ております。
G-CSF(フィルグラスチム)投与の適応について
対象となる患者様
当院でG-CSF治療をご提案する対象は以下の方々です
・子宮内膜が厚くならない方
HRT(ホルモン補充療法)周期において、治療開始から14〜15日経過しても内膜厚が7mm未満の方
・反復着床不全の方
治療開始から12〜13日の時点で、内膜の状態改善が必要と判断される方
治療のタイミング
初回治療の場合、排卵がない状況でHRT周期による治療を進めます。適切なタイミングでG-CSFを1〜2回程度、子宮内に投与することで、多くの場合、その後の内膜状態に改善が見られております。
治療の特徴とメリット
有効性について
これまでの臨床経験において、G-CSF投与後に子宮内膜の状態が改善されるケースが多く、非常に有効な治療方法であると考えております。特に、従来の治療法では改善が見られなかった患者様にも良好な結果をもたらしております。
*すべての患者様に同様の効果があるわけではございません
経済的な負担について
自費診療の中では比較的低コストで受けていただける治療法であり、患者様の経済的負担を抑えながら効果的な治療を提供できる点も大きなメリットです。
安全性について
現在のところ、当院での治療実績において副作用の報告はございません。安全性の高い治療法として、安心してお受けいただいております。
G-CSF(フィルグラスチム)による子宮内膜改善治療は、効果の高さ、安全性、経済性を総合的に評価し、当院では今後も積極的に施行してまいります。
他施設で治療中の方も含めて希望される方には今後も積極的におこなっていきたいと思っております。
成績
2023年
平均年齢 35歳
総治療周期 86周期
移植総数 65周期
妊娠率 39%
2024年
平均投与回数 2.2回
平均年齢 35歳
総治療周期 55周期
投与前の内膜圧 6.2m
投与後の内膜圧(移植決定時) 7.4m
移植総数 40周期
妊娠率 48%
*上記の如く効果があったと考えます。
費用
フィルグラスチム 12,000円