PGT-A検査の35歳以上 対象拡大について
日本産科婦人科学会より、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の対象が拡大されることが発表されました。これまで限定的であった検査対象が、35歳以上の不妊症のご夫婦にも広げられることとなり、より多くの患者様にこの検査の恩恵をお受けいただけるようになります。
PGT-Aとは
PGT-Aは、体外受精により作られた受精卵(胚)の染色体数に異常がないかを調べる検査でございます。具体的には、胚の一部の細胞を採取し、染色体の数が正常(46本)であるかを確認いたします。染色体数に異常のない胚を選んで子宮に移植することで、以下の効果が期待されます
・妊娠率の向上
・流産リスクの軽減
・より効率的な治療の実現
対象拡大の意義
従来は、不妊治療を繰り返しても妊娠に至らない方や、流産を繰り返された方に限定されておりましたが、今回の改定により35歳以上の不妊症のご夫婦となります。
この拡大は、海外の研究データに基づく科学的根拠と、国内医療関係者からの要望を受けて決定されました。
35歳以降は自然妊娠率が低下し、染色体異常の発生率も高くなる傾向があるため、この検査により治療の効率化が期待されます。
最近のデータですと35〜39歳の方は正常な染色体の胚が50%程度です。
40歳以上では35%程度に減少します。
染色体異常のある胚を戻しても、一部は妊娠にいたりますがほとんどは流産してしまいます。
このようなデータから、35歳以上の方には着床前診断をすることがで有効であると考えられます。
ご不明な点やご相談がございましたら、ご来院の際にお気軽にスタッフまでお声かけくださいませ。