人工妊娠中絶手術
人工妊娠中絶手術をお考えの方へ
今回は中絶という、やむをえず妊娠を中断しなければならない状態になり、とても残念なことと思います。未成年の方であればなおさら、誰に相談すれば良いかや、これから将来妊娠が出来ないからだ、すなわち不妊症になってしまうのではないかなどのリスクに対する不安や、後悔などの様々な気持ちはもちろんおありかと思います。ただそれは当院が体外受精など高度生殖医療を行う不妊治療の専門家という観点ではなく、一般的に長年様々な患者様を処置してきた経験からすると、ほとんどの場合は、中絶後も特に問題なく妊娠が可能で、後遺症などが残ることはまずありませんのでご安心ください。
プライバシーに最大限の配慮をしております
当院の施設は特徴として、受付や診察室がある1階以外にも、2階・3階と別棟があります。
たとえばお手洗いに関しても、一般診療の方とは別で用意しており、出来る限り他の患者様とお顔をあわせることのないように取り組んでおります。
来院される時の時間帯も通常診療が開始する前、他の患者さんがいない時間に合わせてご来院いただくよう配慮し、帰宅時間も診療時間後などの他の患者さんが誰もいなくなった時間に合わせてお帰りいただくようにし、プライバシーに配慮しておりますので、ご安心ください。
妊娠週による処置の違い
当院では、妊娠5週〜11週までを扱っています。はじめての妊娠の方および帝王切開にて出産されている方は、妊娠5〜9週までは、当日の朝から子宮口を広げる処置をして、昼前に手術をします。10週〜11週までは、前日の夜に子宮口を広げる処置をして翌日の朝に手術をします。経膣分娩経験のある方は、5週〜9週までの間は当日の朝手術をします。10週〜11週の方は当日又は前日に子宮口を広げる処置をして昼前に手術をします。
手術の際は静脈麻酔で眠っていただき、時間は10〜15分程度で終了します。昼過ぎまで院内で経過を見た後帰宅していただき、当日と翌日は自宅安静が必要です。術後2回ほど外来診察にて経過観察をすることが重要です。今後、避妊を希望される方は、低用量ピルや子宮内リング等の指導をしています。
妊娠週数は超音波で見た胎児の大きさで決定しますので、12週以降の方は入院の出来る施設に紹介しています。
検査項目・治療方針
術前に超音波で゙胎児の大きさを決定し、採血心電図等の術前検査を行います。
※妊娠週数および前処置の有無等の違いにより、治療費も異なることを予めご了承下さい。
電話での中絶相談も行っています。
相談は専門の女性スタッフが対応いたします。メールやFAXでのお問い合わせももちろん可能ですが、現在の健康状態などの確認が必要ですし、なにより確実で中絶に対しての疑問が解決するのも早いかと思われますので電話での相談をまずはおすすめします。中絶に対する質問が多いこととしては年齢問わず、「中絶手術にかかる費用」「予約が必要か」「どのようなタイミングで受診すれば良いか」などが多いようにうけます。中絶手術費用については保険が適用されませんので、自費診療となります。ただし金額については初産か経産かによって異なりますが、決まっています。中絶されるタイミングについては、望むのであれば胎児の成長具合も関係してきますので、早いに越したことはありません。ただし心の整理も必要でしょうから焦らず、自分のペースで受診やご連絡をください。来院時間も中絶だからといって個別に時間は特に設けておりませんので、診療時間内であればいつでもご来院ください。予約については当院では必要ありません。もちろん予約は可能ですが、必ずその時間に受診できるというお約束ではありませんので、予めご了承ください。
中絶手術をお考えの未成年の方へ
よくある中絶に対する未成年の方からの問い合わせや質問として、「親に連絡がいかないか?」「家族や相手には内緒にしてほしい」「親の承諾や同意書など、親権者のサインは必要なのか?」「中絶すると後遺症で将来不妊になったりしないか」「中絶手術中は付き添いしてもらってよいか」などのご相談が多いでしょうか。
まず連絡などに関しては、患者様ご本人様が連絡のとれる携帯電話などに直接お電話しますし、家に電話をするようなことは一切ありません。もちろん個人情報保護法という観点からプライバシーを守り、患者様の心情的に配慮する意味でも、たとえご家族であっても本人が来院したことなどを伝えることはしません。また本人様のことをお話することはありませんので安心してご相談ください。
ただし、未成年同士の中絶手術処置にあたっては、親の承諾や同意書については必ず必要書面にサインをいただく必要があります。こればかりはとても心苦しいのですがもらってくる他手段はありません。もし仮に同意書が不要で処置が出来るというところがありましたら、それは危険な処置としてまず疑ってください。親権者の同意書のない上のでの中絶手術については、法律に違反する違法行為となるからです。またそこは母体保護法指定医でない、国に無許可・無認可で中絶処置を行っているということで、大変危険な行為と判断してください。それくらい当院は当たり前にまずあなたの体の健康のことを第一に考えているということをご理解ください。ですから、相談までは内緒でということは可能ですが、現実的には中絶手術が完了するまで、何もなかったように内緒にするということはできかねますのでご了承ください。
中絶手術の費用について
中絶手術は保険の適用外となり、実費でのご負担となります。ただ、何か不調などがあった場合の診療やご本人様を確認する身分証として必要となりますので必ずご持参ください。支払い金額は手術直前払いとなり、手術当日にご持参いただき、お支払いされた上で手術を行います。当日忘れたから後払いや分割支払いをしたいなどの例外はありません。そういった場合は手術を行いませんので予めご了承ください。手術代金については、予め決まっていますが、初診で受けられる検査(超音波、血液検査など)の種類のより値段は異なります。また初産か経産かによって異なります。
人工妊娠中絶完了までの流れ
まず、来院受診してください。
来院受診は通常の診療時間内にお越し下さい。
その後、中絶手術予定日を確定し、再度来院いただきます。
中絶手術に必要な日数は、経産婦と初産婦および帝王切開で出産をされている方では異なります。
※経産婦・・・経膣分娩で出産されている方
※初産婦、帝王切開をされて出産された方は、前処置が必要となります。
・初産婦、帝王切開をされた方の手術までの流れ
<10週までの方>
手術当日は、8時半に来院いただき、前処置を行ってから11時頃手術を行います。おおよそ当日13時以降にご帰宅いただけます。
<10週以降の方>
前日19時頃前処置をして一旦ご帰宅いただき、翌日再び8時半に来院し、早ければ12時頃にご帰宅いただけます。手術当日の朝は絶食していただきます。
・経産婦の方の手術までの流れ
<10週までの方>
手術当日は、8時半に来院いただき、9時頃から手術を行い、おおよそ12時頃にご帰宅いただけます。
<10週以降の方>
前日19時頃前処置をして一旦ご帰宅いただき、翌日再び8時半に来院し、早ければ12時頃にご帰宅いただけます。手術当日の朝は絶食していただきます。
中絶手術当日のご来院に関しての注意事項
手術では麻酔を使用するため、術後の車の運転に支障をきたしますので、帰りは迎えにきていただくか、タクシーで帰宅いただくことになります。手術前数日間はアルコールの飲用をお控えしただき、前日はしっかりと睡眠をとっていただき、健康に気をつけてください。
中絶手術後の流れ
手術後は経過が良くても最低2回再度受診をいただき、術後2日目・9日目の受診が必要となります。よくいらっしゃるのが、中絶は手術当日のみの処置で完了すると思われがちで、その後お見えにならず大変心配なことがあります。実は母体の健康は中絶前より術後のケアが一番大切です。ですから、最低2度程受診をいただきます。そして、体調にかかわらず中絶手術当日含め3日程安静にしてください。
あと入浴に関しては、中絶手術後、初診までは入浴を避けシャワー程度にしていただき、安静にいただくことが必要です。また改めて将来子どもを健康な体で産むためにも、十分ご自愛下さい。
手術後に起こる可能性がある症状
当クリニックは母体保護法指定医師が施術いたします。
今までに致命的な合併症等を起こしたことはありませんが、
下記の可能性はゼロではありませんのでご承知おきください
術後に疼痛、発熱、腹痛、出血、
稀に繊毛遺残、感染症、
ごく稀に子宮穿孔、関連臓器の損傷等が起こりえます
最後に・・・
日ごろから気をつけていただいこととして、妊娠を必要としていない場合における性行為には、必ず避妊を意識するように個々で気をつけて下さい。例えば、コンドームを使用する、ピルを服用するなどです。ただし、コンドームは使用方法により妊娠を完全に防ぐものではないので、使用時には十分気をつけて下さい。
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