不育症について
不育症とは?
妊娠初期に2回連続流産された方を反復流産、3回以上連続流産された方を習慣性流産と言います。
現在では2回流産された方は検査・治療の対象となります。
検査 必須項目(保険)
1.子宮卵管造影
子宮奇形の有無、卵管の通過性等を診ます。
2.内分泌(女性ホルモン、糖尿病)
女性ホルモン分泌異常による黄体機能不全では着床環境の整備が障害され受精卵の初期の発育が妨げられるために流産を繰り返します。
3.一般(検尿、血算、生化学)
選択項目(自費)
1.染色体(夫婦) 各25,000円
2.血型(不規則抗体) 2,5000円
3.免疫異常
抗核抗体・・・2,000円
抗DNA抗体・・・2,500円
抗カルジオリピン抗体lgG・・・2,800円
LA-RVVT(ループスアンチコアグラント)・・・4,000円
自己免疫疾患(特にSLEを合併した)妊婦の自然流産の発生頻度は極めて高くなります。流産以外にも子宮内胎児死亡、子宮内胎児発育遅延などの頻度も高くなります。
4.感染症
クラミジア・・・2,000円
淋病・・・2,000円
B型肺炎・C型肺炎・1,900円
ウイルス感染や敗血症等の感染時に流産になることがあります。
5.子宮鏡
3,500円
子宮内膜ポリープ、子宮内膣癒着の有無、卵管口等を診ます。
6.甲状腺ホルモン
4,700円
甲状腺機能異常では高率に卵管機能障害を伴い、妊娠が成立しても高い流産率を示します。
7.止血異常(PT、APTT、フィブリノーゲン)
2,000円
第XII因子活性(凝固第XII因子)・・・4,000円
プロテインS活性(抗原)・・・3,500円
プロテインC活性(抗原)・・・4,000円
妊娠維持には血液凝固因子が関与し、これらに異常があると流産や早産のリスクが高まります。
8.貯蔵型ビタミンD
3,000円
Th1/Th2・・・16,000円
ビタミンDは免疫応答にも関係するホルモン(ビタミンと呼ばれていますが、その実態はホルモンです)妊娠中のトラブルに共通して関連するのはこの免疫応答の異常であることが多いとされています。原因不明の不育症・習慣流産・着床不全の場合免疫応答の異常が起こっている場合があります。
治療について
原因が判明したケースでは、その治療(高プロラクチン血症、抗リン脂質抗体症候群、粘膜下筋腫、等)をし、必要な場合にはアスピリン・へパリン療法、アスピリン・ステロイド療法を考慮しますので、御相談ください。