HMGの供給不足および使用方法
HMGは
human(人) Menopausal(閉経期) Gonadtropin(性腺刺激ホルモン)
・尿由来(フジHMG、フェリングHMG、テイゾーHMG等)
・遺伝子組み換え製剤(レコベル、ゴナールF)
がありますが
現在、尿由来は中国で生産されており
・フジHMG=LHとFSH 1:3
・テイゾーHMG=LHとFSH 1:1
は慢性的な出荷調整になっています。
・フェリングHMG=LHとFSH 1:1
は出荷停止になっています。
またHMGは産婦人科以外でも泌尿器科でも使用されますので、確保がさらに難しくなっています。
遺伝子組み換え製剤(レコベル、ゴナールF)=FSHのみの製剤
保険適用は体外受精のみとなります。
(尿由来のHMGは全ての不妊治療に使用できます)
上記の供給不足により
慢性的に不足している尿由来のHMGについては
一般不妊治療(タイミング法、AIH)に使用し、
遺伝子組み換え製剤は
体外受精に使用されることが全国的に多くなっています。
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※出荷調整とは
過去約1年間の注文状況から算出し
購入数の上限を調整されてしまうことです。
過去に50しか頼んでいない場合は、
半減の25しか購入できない状況になります。
注文配分は製薬会社および問屋が決定しますので
医療機関が増量を申し込んでも確保することができません。
※当クリニックの状況について
・テイゾーHMG
前1年間に購入しておりませんので、
テイゾーHMGを購入することができません。
・フェリングHMG
出荷停止になっておりますので解除されるまで購入できません。
・フジHMG
現在、フジHMGしか購入できませんので
一般不妊治療の方にはフジHMGの一択となります。
体外受精の方には申し訳ありませんが
遺伝子組み換え(レコベル、ゴナールF)の製剤で治療をお願いしています。
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今後の出荷調整の改善については不明です。
尿由来のものは
以前はヨーロッパでの修道院の尿を使用し
エイズ等の感染症がない方のものを使うことを絶対とし
厳重な管理体制によりおこなってきましたが、
この管理体制が非常に厳密さを求められるため増産が難しいとされています。