不妊治療や妊娠関連に関する巷に広がる誤った情報や認識シリーズまとめ
いつも名古屋の不妊治療クリニック・山口レディスクリニックのブログをお読みいただきありがとうございます。
今回はタイトルにもありますが、「不妊治療への誤解」についてさまざまなテーマで書かせていただいた記事を一度整理しまとめてみました。
当院も産婦人科として以前は出産・分娩も行っていました。
出産という喜ばしいことに数多く立ち会う一方で、妊娠にまで至らないという悲しい現実も知ることになるのです。そこで当院も当時ではまだ数少なかった体外受精までの専門的な不妊治療を行えるクリニックとして多くの女性の悩みを解決したいと考え、出産・分娩から不妊治療専門医院へと切り替えました。
そして今まで数多くの不妊で悩む女性を妊娠・出産まで導き尽力してきましたが、不妊治療についてのことは意外とまだまだ知られていないことが多いなというのを感じています。
それより婦人科ということについてがあまり馴染みが無いということがあるでしょうか。
いずれにしても、もっと婦人科クリニックを身近に感じてもらいながら、少しでも多くの女性の悩みを解決していけたらという趣旨でさまざまな情報をこういったブログ形式で書いています。
ドクターや医療従事者からは当たり前だと思っていたことが、意外と知られていないということは数多くあるものです。
例えば、基礎体温について。
女性の方ならみなさんがつけているかなと思えば、案外そうでもないのが実状です。
もちろん妊娠を望まれて懸命に不妊治療と向き合われている方はそうでもないですが。
たしかに毎日欠かさず継続するということが面倒だという感覚はあるでしょうね。
しかし基礎体温をつけていると、生理予測だったり体調の変化に気づきやすくなるというメリットがあります。生理不順やホルモンバランスの乱れにいち早く気づくこともできるのです。
ただ、排卵日に対しての認識の誤りであったり、排卵検査薬の誤解というものがあります。
→ 排卵日・基礎体温の見方に対する誤解
→ 排卵検査薬に対する誤解
また、生理不順に対してもそうですが、生理がこなくなったのを生理が面倒だからいいやと放置したり、毎回生理痛がひどいから痛み止めでなんとかごまかしているという方も結構いるみたいですね。
たしかに緊急で痛み止めでごまかすというのはありですが、常時しかも長期服用というのは身体になにかしらの異常をきたしているという可能性が高く、そのまま放置すると最悪治療も困難なな取り返しのつかない状況になってしまうこともあまり認知されていないように感じます。
そして、不妊治療にも役立てられるピルについてもだいぶ一般的になりましたが、それでも欧米ほど認知度や普及は高まっていません。
ドラッグストアでも気軽に購入できるくらい普及した欧米では正しい理解が進んでいるようです。日本では過去のイメージや避妊薬という固まったイメージがあるようですね。
またがんになるのではないかという誤った認識があったりします。
たしかに避妊効果があるのですが、それはホルモンバランスを正常化することによるひとつの効果であり、妊娠を望まない時の排卵を抑制し、数限り有る卵子を保持し、子宮・卵巣を休ませて将来の妊娠率を上げるという方法もあります。
いろいろあげましたが、一番はなんと言っても不妊治療という認識でしょうか。
今までブログをご覧いただいている方であればご周知のことと思いますが。
不妊治療は高齢出産の人だけやるものだとか、不妊治療は顕微授精とか手術などの大掛かりなもので特殊なことだとか。卵巣機能を若返らせるものだとか、閉経まで妊娠ができるものだとか。
自然妊娠ができないというようなことまで、さまざまな誤解をされていることがあります。
→ 体外受精すれば何歳でも必ず妊娠できるという誤解
→ 不妊治療で卵巣機能が若返る、閉経まで妊娠が望めるという誤解
→ 不妊治療を行うと自然出産ができないという誤解
不妊治療の基本は、まず不妊の原因を特定し、取り除くこと。
べつに手術で取り除くといった類の話ではなく、さまざまな方法があります。実はとてもシンプルで、不妊治療はまず不妊検査をすることが大前提です。そして、原因を特定するために基礎体温がとても重要な役割を担います。
ですから、日ごろ体調に違和感がある程度でまず気軽に訪れていただければと思います。
こういった情報が当たり前になってもらえたら幸いです。
→ 排卵日・基礎体温の見方に対する誤解
→ 排卵検査薬に対する誤解
→ ピルの服用でがんや不妊症になるという誤解
→ 体外受精すれば何歳でも必ず妊娠できるという誤解
→ 不妊治療で卵巣機能が若返る、閉経まで妊娠が望めるという誤解
→ 不妊治療を行うと自然出産ができないという誤解