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基礎体温で35度台、低体温の方は要注意!

体温は個人差があるから仕方ない?

基礎体温で35度台、低体温の方は要注意!_名古屋市不妊治療_山口レディスクリニック

体温が低いのは個性とか体質というものは基本的にありえないといっても良いでしょう。

分かりやすい極端な例えとしては、わたしはいつも40℃以上だとか、逆に30℃以下だとかはありえませんよね。もちろん多少高めとか低めといった個体差はもちろんありますが、人間の体が構成されている細胞などの差は基本的には同じようなものです。

例えば、風邪を引いた時には高熱がでたりしますよね。これはウイルスに対する免疫力が働き、一生懸命に外部からの敵と戦っているためです。その仕組みは、ウイルスは熱に弱いのと、普段ゆるやかに働いている免疫力を一気に働かせるための仕組みなのです。ただしあまり高熱の状態が続きますと、人の細胞を破壊してしまうために、ある一定に保たれるように出来ています。

ですから低温の方はこういった元来身体に備わった機能が働きづらい状態になっている可能性があり、さまざまな疾患を引き起こす原因となる可能性があります。

女性で多い症状「冷え性」や「便秘」

冷え性_基礎体温で35度台、低体温の方は要注意!_山口レディスクリニック

風邪以外にも例えば、インフルエンザであったり、女性の悩みとして日常生活でよくあるところですと冷え性や便秘。そして、つまるところガンといったとても恐ろしい結末になってしまうこともあるかもしれません。大げさのようで実はすべて繋がっているのです。ガンについてはここでは詳しく触れませんが、ガン細胞というものは実は毎日微量に発生しているのですが、免疫機能により毎度消滅し正常に保たれているのです。ですから健康な方は基本的に特に気にする必要もないでしょう。

便秘というのも実は低体温の方や冷え性がひどい方によくある症状であったりします。これは、体温が低いとすべての細胞が正常に働きづらくなり、免疫力だけでなく、各臓器の機能の低下によって起こる症状なのです。腸の働きが悪くなることで便秘になってしまうということがあります。また筋肉量が低いために押し出す力が低いということもあります。そして、便秘だとさらに冷え性を促進してしまったりと悪循環に陥ってしまうということがあります。

低体温になる理由

低体温_基礎体温で35度台、低体温の方は要注意!_山口レディスクリニック

ではそもそもなぜ、低体温になるのか。
これは一概にこれという原因を断定的には申し上げられませんが、可能性として多いのは、運動不足、不規則な生活習慣、過度なストレス。などがあげられるでしょうか。

まず運動不足については、シンプルにいえば動かないと熱は作られない。ということです。女性は男性に比べ筋肉量が少ないことが多いため、筋肉が熱をつくりだすというからだの構造のお話で、女性の方が冷え性の方が多いというのはそういった理由になります。

不規則な生活習慣についてですが、これは食事のバランスであったりホルモンバランスの乱れ、睡眠であったり生活リズムであったり、細かく言えば様々なそして複合的な要因があげられます。

体温の大切さ、不妊症の関係

体温の大切さ_基礎体温で35度台、低体温の方は要注意!_山口レディスクリニック

人の体温というのは基礎体温のような1ヶ月単位で見て変化するものではなく、基本的に1日でみても変化があるものです。サーカディアンリズムといって、朝起きてから夜眠り睡眠中などの変化のことをいうのですが、これは日が昇り、日が沈むという自然の原理に合わせて体温が一日を通して変化することです。この体温の変化というのは元々身体に備わっている自律神経の働きによって正常に変化をするように保たれているのですが、これが壊されてしまう自律神経失調症などになり、不眠などの原因になってしまったりします。これは過度のストレスの話にも共通することです。

交感神経と副交感神経はご存知かと思いますが、簡単にいえば交換神経は活動を促す働きで、副交感神経は休息を促す働きに分けられます。そして、活動するには体温を上げ、休息するには体温を下げるといった具合に調整しているのです。この調整機能がうまく機能しなくなることが自律神経失調症であったり、低体温の原因であったりする可能性があるのです。

1日中、低体温が続く方はずっとだるいといった日中に活動的になれないといったことがあり、それによって活動量が十分にとれないために、寝つきの悪さや深い睡眠がとれずに、ずっと疲れがとれずに辛いといった悪循環を起こすのです。
こうした状況下においては、もちろん妊娠にも影響し、健康的に妊娠をするということが困難となったり、また妊娠をしても流産をしてしまうような不育症や、普段では慢性的な生理不順などと重なったりして、つまるところ不妊症の原因となってしまうのです。

ですから、体温がいかに大切なものなのかがお分かりいただけたかと思います。

体温でからだの異変に気づく、予兆がわかる

ホルモンバランスの乱れについても、基礎体温を続けてつけていただくと、高温期と低温期が一定期間現れる、二相性という状態になっていれば健康的ですが、これがずっと同じような体温のまま変化がないという状態であると要注意です。

女性の体に起こる1ヶ月の体温の変化は、ホルモンの働きによって変化するようになっています。この機能に支障をきたすと、元々あるべき体温の変化がなくなってしまうのです。ですから、そういった状態を気づかれたらすぐにでも受診をしてください。ガンでも何の疾患でも同様ですが、気づくのが早ければ早いほど治療できる可能性が高まります。

体温というものは高ければ良いというものではありませんが、低い状態がずっと続くこと自体が問題なのです。ですから、小さい時から冷え性でずっと体温が低く、そういった体質なんだと思い込んでいる方、要注意かもしれません。

ですから、もしそのような方はそのまま放っておかず、一度しっかりと健康診断や診察を受けていただければと思います。

日ごろから自分のからだを大切に

基礎体温を毎日続けて計ることはとても大切なことがお分かりいただけたでしょうか。面倒だったりなかなか続けることが大変かと思いますが、毎日つけるのを忘れても、できる限りつける。といったところから、まずはあまり気を張らずにゆるくでも続けていただくことが、ご自身の身体の変化にいち早く気づくためには大切かと思います。

体温を計るだけで気づくことある。早期発見が早期解決につながるのです。

基礎体温と目覚まし時計がセットになっているものなど様々なものが市販されているようですので、ご自身に合った方法をいろいろと探してみてはと思います。

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