過度なダイエットが不妊症につながるのをご存知でしょうか
女性なら誰しも美容のために一度は何かしらのダイエットにチャレンジ。
そんなご経験があるかもしれません。
ダイエットと不妊?あまりピンとこない話かと思います。
実はとても大切なことですから、これから詳しく説明していきます。
過去に無理なダイエットの経験はありませんか
特に学生時代や思春期あたりですと、妊娠可能な成人の体へと成長していく中で、女性らしい体つき、いわゆるふくよかになる要因の脂肪を蓄え始める頃があったかと思います。
そういった体形などは、ある程度年齢を重ねると共に、ホルモンのバランスが安定してきたり、上手に自分の体と付き合える方法が身についてきたりして落ち着いてくるものだったりするのです。
しかし、特に若い頃は太ってしまった。すぐ痩せなければ。そう思い焦って盲目的なダイエットに励むことがあるでしょう。それは食事や栄養の「バランスも考えずにただやみくもに体重を減らそう」としがちです。
急激な激やせにより、体にかかる過度な負担で生理のリズムがおかしくなる生理不順であったり、生理がこなくなる無月経や無排卵に陥ることがあるのです。若い頃はまだ子どもを産むことまでの自身の体のことを想像することまでなかなかできにくいため、生理がこないことをあまり重要にとらえられず、また生理自体が面倒なこともあるため、ついこなくてラッキーのような感覚で放置してしまうことが少なくありません。
たまたま一度だから大丈夫?ということは決してない
ご存知ない方もいらっしゃるのでしっかりとお伝えします。
現実問題として、実は「一度失われた女性の機能を取り戻すのはとても困難なこと」で、完全に取り戻せるという保障もないのが人間の体のデリケートな問題なのです。
簡単にいえば、もし過去に「一度でも生理がこなくなったなどのご経験がある方」は、実は注意が必要なのです。生理不順もずっと続いていたりという方も、それは単なる個性ではなく、何かしらの体の機能がおかしくなっている可能性があります。
また、激やせによって「一旦失った女性の機能は、体重や見た目さえ戻れば元通りになるという簡単なものでもない」のが現実です。
妊娠のために必要な月経の重要な意味
この生理がこないというのは何が起こっているかというと、簡単にいえば女性ホルモンの分泌に異常をきたしていることがあります。
こういったことが起こると、もとに戻るために行える実証されている手段として、女性ホルモンの投与しか現在のところ手段はありません。しかも長期間に渡って治療を続ける必要があり、いつ改善されるか、ましてや改善されないかもしれない、ということさえ可能性としては十分にありえるのです。
ですから、ダイエットの目的としては、美容のためであるとしても、「体重や見た目を手に入れる代償として、女性が本来もっている女性らしさを失う可能性」があり、つまり美しさの源となる女性ホルモンが分泌されないようでは本末転倒ということになります。
女性ホルモンというのはエストロゲンという物質で、生理はこの物質の分泌によってサイクルが起こっているとても大切な物質なのです。
ホルモンを外部から取り入れるような治療の方法として、プラセンタ注射やピルの服用があげられますが、これらは女性機能の回復につながり、そして女性ホルモンの機能が整うことで直接的ではないにしろ美容にも多少なり関係していきます。しかしながらこれらの手段によって、一度失ってしまった機能を必ず改善できるという保障は残念ながらありませんので、日頃から体調管理には十分気をつけていただいた上で、日々の生活を過ごしていただければと思います。
もし、学生の方がこの記事をご覧いただいているのであれば、一生付き合う自分の体のことですから、身勝手で無知の判断をせず、しっかりとした知識を持つように心がけてください。
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