不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

診療トピックス

ランダムスタート法 – 不妊治療の方法について

ランダムスタート法とは?

簡単にいえば、月経周期を気にすることなくいつでもはじめられる体外受精の方法です。

この方法の適用が向いている、おすすめしたい方

・卵巣機能の低下している方
・高齢の方
・治療、妊娠を急ぎたい方

ランダムスタート法のメリット、デメリット

< メリット >

・月経周期と関係なく治療が進められるためタイミングをとりやすい
・通常治療では妊娠が困難な場合においてのチャンスを広げる

< デメリット >

・短期間での精神的、経済的負担がかかりやすい

通常の治療方法との違いや特徴

今まで通常は月経周期中に合わせ排卵誘発を行い採卵する方法においては、治療時期が限定的であり、いつでも治療が開始できるということでないため、それぞれご自身の月経周期に合わせて治療を行う必要がありました。

また卵巣機能の低下した方や高齢の方においては排卵しづらかったり、たとえ高度生殖医療の体外受精で採卵を行うにしても、採卵可能な卵の数がもともと少なく困難であるといった問題がありました。

また卵の元となる卵胞は、複数個が月経周期と関係なくそれぞれバラバラに日々成長しているため、排卵時期にすべての卵が成熟しているとは限らないということがあげられます。

成熟とはつまり排卵時期に受精できる・妊娠できるまで成長した卵といった観点では、月経時に存在する卵胞すべてが成熟しているとは限らず、成熟されずに閉鎖する。

分かりやすくいえば卵の数だけチャンスがあるようで、残念ながらそういうわけではない。ということがありました。

そこで、今回ご紹介するランダムスタート法という画期的な技術では、月経周期のいつからでも開始できることも大きなメリットのひとつですが、何より現存しうる元気な卵を可能な限り無駄にしないようにする方法であり、数限りあるチャンスを最大限に活かすといった方法となります。

ちなみに最新の治療法のように聞こえるかもしれませんが、実は元々の目的はがん患者の将来の妊娠のために卵子を確保することを目的としてうまれた技術です。

この方法を不妊治療に活用できないか研究を重ねられ、技術が応用され確立された方法がランダムスタート法です。ですから不妊治療といった意味合いでいえば現状では最新の治療法ともいえるでしょう。

ランダムスタート法の現状

日本の不妊治療の現場においては、不妊治療専門でかつ設備が整ったごく一部の病院やクリニックでのみ行っているにとどまるため、まだ普及も一般的な認知度も薄いため、ランダムスタート法が行える施設は限られてくるでしょうか。

気になるリスクとしても世界的に数々の治療現場においての治療実績が論文で発表され、通常の排卵誘発方法と異なることによるリスクや問題があるといった報告はなく、安心して受けていただける治療法のひとつです。

まとめ

まとめとして、適用が向いている、おすすめしたい方に記したとおりですが、卵巣機能の低下している方、高齢の方、治療、妊娠を急ぎたい方など、通常の方法では妊娠することが難しい方で、体外受精を行うにしても採卵可能な卵の数自体が少ないなど、さまざまな障壁がある中で、数限りあるチャンスを少しでも無駄にしない方法をご紹介しました。

また当院では、少しでも不妊治療や妊娠に対する誤解や正しい知識を持ってもらえたらという想いから、定期的に体外受精の説明会を参加費は無料(事前予約制・先着順)で開催しております。

人工授精に何度もチャレンジしたが、結果が出そうにないという方などステップアップをご検討されている方。また不妊治療自体何からはじめて良いか分からない方など、一度お気軽にご相談ください。

そして当院に通院されている方は予約制で女性培養士による相談窓口(事前予約制)を無料で開放しております。通院されていない方やはじめての方も有料ではありますがもちろんお受けいただけます。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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