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診療トピックス

ロバートソン転座の理解と着床前診断(PGT-SR)

染色体異常は、全出生児の1%未満にあるといわれており
数の異常と構造異常に大別されます。


1.数の異常の場合(今回は常染色体異常について)
13.18.21トリソミーの一部が出生し、
他の番染色体ですと、すべて着床しないか流産になります。
出生すると身体的な障がいを伴うことが多いです。

2.構造異常の場合
健康的な状態で生まれてくることが多いです。
そのため検査をしないと分からないことが多く
ご自身の構造上の染色体異常に気がつかないまま大人になることがほとんどです。
(不妊症や不育症で調べて初めてわかるケースが多いです)

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今回は上記のものを踏まえて
代表的な染色体転座である
ロバートソン転座のお話をいたします。

アクロセントリック染色体(13、14、15、21、22番染色体)
の短腕が失われ、2つの長腕が融合して1本の染色体が形成される染色体異常の1つです。

約800人に1人ぐらいと言われています。

医学的な問題としては
ロバートソン転座がある方と健常者の間で妊娠した場合

6つのパターンの染色体に分類されます。

 
①正常な染色体で出生。
②のような均衡型の転座の場合は、そのまま遺伝子を引き継いで出生することがあります。
④⑥のケースですと着床不全か流産となります。

特に問題になるのは
③⑤の場合のように3本の染色体を持つと大部分が着床不全か流産になりますが、稀に13.21のトリソミーとして出生にいたることがあります。
(男性、女性、いずれかが転座の保有の場合によっては確率が変わりますが、1%程度が出生となります。)
―――
現在は出生前診断が行われるようになりましたので

妊娠後にトリソミーの有無を確認することができます。

健常な子を産みたいという気持ちがあることが一般的には多いかと思いますので、これらを解決するための医学的な方法をお伝えいたしますと

体外受精を行った上で、受精卵の着床前診断 (PGT-SR)をすることです。
(クリニック等の医療機関で採取はしますが、染色体の検査は専門のセンターに依頼します。難易度の高い検査のため、受精卵および血液いずれにおいても1%未満で検査が違っている可能性もございますのでご了承ください)

また、受精卵の着床前診断を行うことにより、染色体の正常な良好胚盤胞を1個移植した場合、妊娠率が60〜70%、生産率が50〜60%程度になりますので、女性の年齢に関係なく妊娠率の向上も見込まれます。

気になる方は、まずご夫婦の染色体について採血で検査いただき、
構造異常が判明した場合はPGT-SRの適応となりますので
ご相談ください
(現在、PGT-SRは保険適用がございませんのでご了承ください)

▶︎着床前診断(PGTについて)

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