2022年4月以降の不妊治療の保険適応について
2022年の4月より不妊治療を受けられる全ての方に治療計画書の作成が必要となりました。最低6ヶ月に1回、ご夫婦が同意したサインが必要になり、計画書作成に対する料金が発生します。
一般不妊治療、人工授精に関しましては回数、年齢制限はございませんが、体外受精の方は回数、年齢制限があります。
制限を超えた場合は自費治療になりますのでご了承ください。
AMHに関しては体外受精を受けられる方は6ヶ月に1回保険治療になりますが、2回目より自費治療になります。
感染症検査に関しましては、体外受精を受けられる女性のみ保険適応になりますが、それ以外の治療の方や男性の方は自費検査になります。
抗精子抗体や、甲状腺ホルモン等は、このまま自費での検査となりました。
TORIO検査、シート法は先進医療に認められましたので、保険診療プラス自費診療が可能ですが、基本的には混合診療は認められていませんので、PRP療法等は先進医療と認められるまでの間は自費診療となります。
(不妊に関する先進医療の治療が認められているのは先進医療の専門医に限ります。当院は認可をいただいています)
保険診療の適応となる薬剤は全てではありません。認められた薬剤のみ認可された量を使用されることになりますので、今まで使っていたものが使用できるわけではありませんし、1日の使用についての量も制限されているものがあります。
例として、
クロミッドは月経3日目より開始し、初回1日1錠5日間の投与、2回目の採卵より2錠5日間の投与が可能となります。
HMGは初回150〜225単位で最低4日間スタートし、5日目から増量することができますが、増量は1回で150単位までで、1日総投与量は450単位が上限となります。初回の採卵で反応の悪かった方は2回目より300単位でスタートすることが出来ます。
採卵が決まったら2日前の夜に使用する注射は現状通り自己注射です。しかし点鼻薬に関しましては、今まで小分けして2回分お渡しすることが出来たのものが、今後は1回の治療毎に1本購入していただくことが保険診療上決まりました。(人工授精の方も同様です)
黄体補充に関しては、プロゲステロンの注射が発売中止になりましたので、一般不妊治療及び人工授精の方は、内服薬プラスHGC注射が主体となります。
体外受精に関しては膣座薬1日3錠のみとなる可能性が高く、内服薬との併用はおそらく難しそうな様子です。
胚移植の際のHRC周期に関しては、エストロノテープは8枚まで使用可ですが、他の薬剤との併用は難しいと思います。
他にはジュリナ内服1日最大投与量9錠まで、ル・エストロゲンジェル塗布は使用可ですが、最大使用量はまだ確認することができていません。
妊娠された場合は、エストロゲン補充はエストロノテープ8週まで。
膣座薬は妊娠10週目まで保険適応になります。