不妊症治療の専門医。タイミング法など自然周期から、人工授精・体外受精・顕微授精までの高度生殖医療。不妊症にお悩みの方、不妊治療のご相談は名古屋市南区の山口レディスクリニックへお気軽にどうぞ。

診療トピックス

体外受精(IVF)についてのよくある質問

Q.HRT法(ホルモン補充療法)と自然排卵の違いは何ですか?

A.妊娠率の観点からすれば、HRT法(ホルモン補充療法)でも自然排卵でも胚移植の差異はありません。

違いがあるのは月経の周期で、通常は排卵しておよそ2週間後に月経がきますが、採卵した後は黄体サポートを行わないため、およそ1週間程度で月経がくる場合があります。

Q.体外受精でHRT法(ホルモン補充療法)を行った人はいつまでエストロゲン、プロゲステロン補充が必要ですか?

A.当院では10週まで補充を行っております。

Q.刺激方法の割合はどれくらいですか?何を基準に選べばよいでしょうか?

A.刺激の方法は患者さんのご意思を尊重し選択をいただいておりますが、当院としてまとめた統計を参考までに掲載いたします。

・ アンタゴニスト法(約49%)
・ クロミッド法(約15%)
・ ロング法、ショート法(約29%)
・自然、PPOS等のその他(約7%)

まず、多くの卵が採れ、かつOHSS(卵巣刺激症候群)になりにくいという利点において、半数弱がアンタゴニスト法が選ばれています。

また、高齢の方や、通院回数を減らしたい方に適しているクロミッド(簡易採卵)法が3割程度でしたが、2022年4月からの保険適用により内服期間が5日間になりましたので減少傾向にあります。

残り3割程度がロング法、ショート法です。

Q.採卵はいつ行うのでしょうか?

A.生理がはじまって14~15日目に行うことが多いです。

ただし、2日前にしか行えるかどうかの判断が難しいため
早い方でおよそ12日目~
遅い方でおよそ20日目で行います。

Q.受精卵はいつ戻すのでしょうか?

A.自然排卵した卵と胚盤胞で異なります。

自然排卵した2日目、3日目の卵は、その同日に戻すします。
胚盤胞のみはすべて5日目に戻すことになります。

Q.移植の日は仕事を休む必要がありますか?

A.移植日はお休みいただく必要はありません。

ただし、採卵の日はお休みをいただく必要はあります。

Q.移植の日は安静にする必要がありますか?

A.特に安静にする必要はありません。

車を運転していただいても結構です。

Q.受精卵の長期培養をした結果、胚盤胞になる確率はどれくらいの割合でしょうか?

A.平均的には半数の50%弱程度です。

ただし、結果には個人差が大きいのと、年齢による影響により結果は大きく異なりますので注意が必要です。

年齢的におよそ40歳を過ぎると、平均的に35%を下回ってきます。ですから、分割期胚でグレード2以上の胚がある方は1個以上凍結保存することをお勧めしています。

高齢な方ほど長期培養を行っても、結果として胚盤胞になりにくくなるのが実情です。

Q.多く卵が採れ、多く受精した場合に、培養方法・凍結方法はどのようにしますか?

A.まず前提としてグレード(卵のランク)ごとに異なります。

受精卵のグレードは数が少ないほど良いのですが、一例として、グレード1とは、4割以上の妊娠率があることを意味します。

<グレードがばらけた場合>

グレードの良いもの(グレード1)は
1~2個だけ2日目に凍結することをおすすめします。
残りは長期培養されることをおすすめしています。

<グレードがすべて同じような場合>

すべて長期培養することをおすすめします。

胚盤胞になるのは50%未満です。
胚盤胞を評価して良好胚、不良胚を判断します。

良好胚の妊娠率は50%程度ありますが、
不良胚の妊娠率は25%程度です。

当院の方針として、
グレード1の良い卵を無理に長期培養する必要はないと考えています。

理由は長期培養する場合には、
グレード1の良好胚もすべて無くなる可能性もありうるからです。
胚盤胞になるまでに25%の確率にかけて、75%が悪くなるか、うまくいかず0%になるか。

年齢にもよりますが長期培養して良好胚が得られる確率は25%程度と考えておいた方がよいです。

分割期胚で全ての受精卵がグレード3〜5の場合は、全ての受精卵を長期培養するようお勧めしております。

Q.hMG注射などや薬を飲む時間は決まっていますか?

A.hMG注射の時間はいつでもかまいません。
クロミッドに関しては、ご自身で飲むものですから、朝食後や夕食後など飲みやすい時に決めていただき、ご自身で決めた一定の時間で飲んでください。

アンタゴニストは薬効時間は36時間のため
アンタゴニスト注射に関しては
自己注射の時間を指定させていただくことがあります。

2022年4月の保険適用以来、アンタゴニスト注射同様にhMG注射も皮下注射による自己注射が認められましたので、現在は超音波等の検査が無い日は来院せず自宅での注射をしていただいています。ですので、日曜・祝日に注射目的で来院していただく必要はありません。

hcg注射の時間は決まっていますか?

A.hcg注射も皮下の自己注射になりましたので、採卵二日前の、夜8時半過ぎの来院は無くなりました。

Q.精子の採取時間はいつごろが良いでしょうか?

A.なるべく2時間以内に採取したものをお持ちください。

また、当院では採取室があるため、もし難しい場合には当院にて採取することが可能です。

当日どうしても難しい場合には、前もって凍結することが可能です。
ただし、精子は凍結障害など凍結に弱いため、凍結する際には通常の培精ではなく顕微授精になることが多くなります。

Q.精液検査、人工授精、体外受精など精子が関する時は、旦那が一緒に来る必要はありますか?

A.奥様のみのご来院で大丈夫です。

もちろん来ていただいても良いですが、精子をご持参いただければ大丈夫です。

※ 最新の生殖医療学会のガイドラインの変更により

Q.高度生殖補助医療(ART)の費用は?

料金モデルケース(保険適用後)

治療内容 詳細 料金 先進医療料金
卵巣刺激のみ
薬と注射
診察・エコー・血液検査・薬 約4万円  
体外受精・
胚盤胞凍結
採卵・体外受精・採卵7個
胚培養5個、胚盤胞凍結2個
約9万円  
先進医療 タイムラプス胚培養   30,000円
  合計 約13万円  
  総合計 約16万円

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